1966(昭和41)年、『ウルトラマン』が放送され、絶大な人気を誇ったが、制作が追い付かなくなり、放送続行を断念。番組終了後、東映制作による『キャプテンウルトラ』が約半年間にわたり放送され、その間に『ウルトラセブン』の制作が進められた。


 「敵は宇宙からの侵略者に統一」という方向性が決まり、『ウルトラ警備隊』という企画案が提出されたが、これには巨大ヒーローは登場しない予定であった。

 これに手が加えられ、『ウルトラアイ』として発展。「ウルトラ警備隊」に主人公の「諸星弾」が加わり、ピンチになると「レッドマン」(企画用ダミータイトルだったという)に変身して侵略者と戦う内容に変更された。さらに、商標登録が完了すると『ウルトラセブン』に正式に決定。必殺技の「アイ・スラッガー」は「ウルトラアイ」の名残りでつけられたものである。


 セブンのデザインは、前作『ウルトラマン』同様に成田亨が起用された。スーツアクターは上西弘次。当時29歳で、身長172cm、体重68kg。筋肉質で、典型的な日本人体型。

 ウルトラマンのスーツアクター・古谷敏は高身長でスマートな7等身だったが、上西弘次は5.5等身。成田亨は、体型を極力意識させないよう、セブンの胸や肩にプロテクターを付けるなど意匠を凝らし、見る者の視線をなるべく上半身に集めるよう工夫した。頭部の形も変遷し、メカニカルなものから、甲冑のような形態に至るまで様々なデザイン変更を経て、現在のものに決定したという。

 ウルトラマンのときはカラータイマーを後から勝手に付け足されたことを憤っていたが、セブンではカラータイマーが付け足されることはなかった。劇中では額のビームランプが点滅してエネルギー切れを表現している。

 デザイン段階のスーツの雛形では、背中のラインやアイ・スラッガーの位置や形状が現在のものと異なる。

 因みに、上西弘次は長崎県佐世保市出身。気さくな笑顔が印象的だ。当時の子ども向け情報誌で「尊敬する俳優は三船敏郎」と答えている。

[参考]
『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』DeAGOSTINI.編©TSUBURAYA PRODUCTIONS