『ウルトラゾーン』(2011)はバラエティ番組だが、特撮ドラマパートがあり、田口清隆が8本監督している。今回はそのうちの1つ「ホシの招待状」についての小ネタ。

・宇佐美探偵事務所。田口監督は自主作品のひとつで「宇佐美」という探偵が登場する話を昔考えていて、今回高橋一生演じる探偵役の名前として採用したという。額縁には「土裸走遊」の文字。これはウルトラ五つの誓いのうちのひとつ「土の上を裸足で走り回って遊ぶこと」から取った創作四文字熟語。

・電柱には「北川町一丁目」の札が。北川町といえば『セブン』第8話「狙われた街」に出てくる町の名前だ。スタッフが札を作って元の札の上から貼ったようだ。アパート名は「メゾンイサオ」。

・風邪薬をビールで飲む宇佐美。これでは治りが遅くなるのでは・・・?

・今回、猫が良い芝居をしたという田口監督。ノラの猫らしい。宇佐美の前でチョロチョロと階段を下りる猫。

・他にも、星野美弥子が荷物を持ち直す動きにビビッて逃げ出す猫。側溝を跳び越えて道を空ける猫。そして、星野の前で階段をチョロチョロと下りる猫のカットがある。計4カット。ノラなのに良い芝居をしている。

・ダダが破壊するアパート。爆発なしで破壊できるように作られており、飛び散る瓦の1枚1枚や、破壊したあとにアパートの内部が垣間見えるのが素晴らしい。これは美術の寒河江弘の仕事。『ティガ』(1996)を始めとする平成ウルトラにも関わってきたが、惜しくも2019年10月26日、大腸がんで亡くなっている。享年52歳。今頃ウルトラの星で存分に造型の腕を振るっているだろうか。


・探偵助手・小早川はダダの縮小光線銃で小さくなってしまう。緒沢あかり演じる星野が抱える人形も、美術の寒河江弘の造型。仕事が細かい。

・元に戻った小早川。ダダといえばこのポーズ。

・荷物を持ったまま前方に豪快に倒れる星野美弥子。アングルが遠いのでよく見えないが、ごみ袋越しに脚の伸びた綺麗な倒れっぷりが覗える。もう少し近くから映してほしかった。
星野美弥子を演じたのは緒沢あかり。
日本舞踊水木流名取らしい。田口監督によると、動ける女優さんだそうだ。

・因みに、『ウルトラマンエックス』第2話「可能性のかたまり」でアンバサダーガールとしても出演している。XIO(ジオ)について説明する小難しい長台詞を見事に言い切った。

・宇佐美役を演じた高橋一生は、当時を振り返り「あの役おもしろかったからまたやりたい」とつぶやいたという。今や引っ張りダコの俳優なのでウルトラシリーズへの出演はもうないかもしれない。。。


cf.)『ウルトラゾーン』総論はこちら→http://ultra-7.blog.jp/archives/6055472.html

[参考]
DVD『ウルトラゾーン』©円谷プロ
You Tube 特爆!チャンネル 【田口清隆監督登場!】特撮は爆発だ! #240 SP
https://www.youtube.com/watch?v=WpYryjOU7P0
https://ja.wikipedia.org/wiki/寒河江弘
https://ja.wikipedia.org/wiki/緒沢あかり
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